いもうと中毒 〜治す薬はありません〜

Date: Wed, 02 Jan 2008 18:38:30 +0900
From: Fukapon
Subject: いもうと中毒 〜治す薬はありません〜

 ペンギンにゃ、みなさま。Fukaponれすの。

 明けましておめでとうございます。 毎年恒例の新年積みゲー処理、2008年の1本目はGATSUN SOFT 『いもうと中毒〜治す薬はありません〜』です。 訳あって珍しくコンプリートしています。

 とゆわけで、レビューと称した駄文をお届け。

 お気づきの方もいましょうが、大晦日に積みました。 一昨年に引き続き、大晦日にエロゲーを、しかも今年は3本も買うのはどうなんだろう。 と言うか、もはや「積みゲー処理」ではなくなっている気もする...。

 さて、当たり障りない情報はWikipediaをご覧いただくとして。 ないのでこれから私が書くんですが。

ストーリーはお約束の貼り合わせ失敗作

 主人公である勇輝は、ある事故により妹を亡くしたショックが原因と推測される「いもうと中毒」という中毒症にかかってしまいます。 周りにいる女の子すべてが妹に見えてしまうと言う、何とも幸せな、ではなく、何とも奇妙な治療方法不明の病気。 同時代には原因や治療方法が不明の各種中毒症状が蔓延しており、その治療を試みる専門病院での入院生活こそが、このゲームでのお話です。

 このあらすじを読めば誰だって「入院生活かぁ、にやにや」と妄想するわけですが、実は違うのがこのゲームの一番大きな失敗でしょう。 それ自体は不自然でもないのですが、院内学級があるのですよ。 なぜか、制服があるのですよ。 結局、全寮制のごくごく小さな小中学校を舞台にした学園ものなのですよ。

 いきなり失敗とか言っちゃいましたのでもう書いちゃいますが、これはひどい(笑。 どこをどう楽しめばいいのかわからん。 まぁ、妹ものなので、全国のお兄ちゃんにとって乗り切れない退屈ではないのですが、おすすめはしかねます。

 それぞれの中毒症はラストシーンで若干魅せ場を作りますが、基本的に出番はありません。 女の子が都合よくいるだけの、平凡もどきの日常が描かれていくだけ。 この手の話を初めて書きましたって元気に言う駆け出しのピコ手同人作家でももう少し考えるぞ、という薄さ。 タイトルと入院生活ってところから、片時も妹が離れてくれない甘い毎日だとか、四六時中エッチしているエロエロな生活だとか、そーゆーの想像しちゃダメね。 妹同士でお兄ちゃんを取り合っちゃって大変だから、みんなのお兄ちゃんに、とかないよー。 その辺、妙に現実的。 やっぱりエッチは恋人同士のするものだから(笑。 んー、これだってうまく利用すればいい話になるのに、ホントいいところなかったな。

 なんか細かく書くのも面倒になってきたので言っちゃうと、GATSUN SOFTの紹介ページに10枚のサンプルイベントCGが置いてあるんですが、エッチシーンはこれですべて、と言うかイベントはこれでほぼ全てだから覚悟しとけ。

不動つかさ: 「女の子」を一緒に考えたかった

 さて、ストーリーに関するしょんぼりはこの辺にしておきまして。

 今回は3名のヒロインのハッピーエンドと、しおりのバッドエンドを全て観ています。 一番難しかったのがバッドエンドなのが納得いかないんですが(笑。 シーン回想モードの穴あき具合から、いわゆるトゥルーエンドかと思いきやバッドとは。 まぁ、百合展開で一番おいしかった気もしますけど。 真のお兄ちゃんにはバッドエンドはバッドじゃない気がする。 妹と恋愛って、ちょっと違うんだよね(ぉ

 妹と言うよりは恋人にと当然一番最初に可愛がっちゃったのは、「女の子中毒症」で入院してくる不動つかさ。 よくある「男の子として育った」子で、今は女の子になるため目下努力中。 いや、努力しないでいいから。 そもそもね、「女の子」なんてのは仮想の存在なんだよ。 つかさちゃんが自らを女の子と思えば、どんなであろうともうそれは女の子。 いいよ、男の子の前で平気で着替えたって。 僕の前以外でそれをやらなければ(笑。 と言うか、お兄ちゃんはそこを教えてあげろよ。 「女の子」にしちゃうなんて、もったいないお化けが出るぞ。

 だいたいだね、勇輝は兄として全くなってないね。 つかさとのデートで、スカートを試着、なぜか上半身がブラジャーのみで出てきたつかさはさておき、そのつかさのどこを見ているんだ? スカートがとても似合っていて可愛いのに、胸だけ見てるって君は人生のほぼ全てを失って生きているようなものだよ。 次に可愛いブラウスとか着せてあげない君の思考回路が理解できないよ。 着衣のままエッチしたのは偉いけど(笑。 派手にネタバレですが、最後の最後、デザイナ志望の勇輝がつかさのために服を作ってあげるのは素晴らしい。 あたしも誰かに作ってあげたいなぁ。 着せてあげたいなぁ。 着せたまま何したいなぁとはさすがに言えないけどさ(ぉ。

 どうなんでしょうね。 つかさほどではないにしろ、いまいち「女の子」になりきれない子って実際にいるのかなぁ。 性同一性障害と呼ばれるものに適合する人の場合は「なりきれない」とかじゃないので別物ですよね。 平均であり仮想である「女の子」そのものはこの世の中にいないと思うのですが、偏差は案外小さいのが現実のように思えます。 だからこそつかさが生きているとしたら、そこに存在しているだけで凄く大変でしょう。 私が出会ったならば、恋愛とかさておき、絶対に友達になりたいなぁ。 いつでも「つかさらしくて好き」って伝えたいし、ときには無理に着せ替えて「可愛くて羨ましい」って困らせたい。 可愛い服を可愛く着られることは、別に性別問わず、素敵なことなんだって語りたいよ(笑

 ちなみにつかさは、案外一番年齢が高くて、中学3年か高校1年ぐらいって設定でしょうか。 でも胸はしおりより小さいらしい。

相澤しおり: 可憐っぽい子

 次はやっぱり押さえておかないとならない可憐っぽい女の子、相澤しおり。 「可憐っぽい」で全てが伝わるよね(笑。 患う「純愛中毒症」は一種の男性恐怖症で、ラストで克服した後にも潔癖さが残る可愛い子ではありますが。 そんな感じなので、エッチでもしないと語りどころがないんだよねぇ(笑。 日常に語るべきところが見あたらない。 この辺が、この作品のクォリティを如実に示していますね。

 そんな中、ついつっこんでしまったのは、男性に触れられない彼女が「しおりだって恋愛したい」と強く言うところ。 「純愛中毒症」故の、という言い方もできるかも知れませんが...。 そもそも恋愛って、そんなに欲するものなのかなぁという違和感を感じます。 シナリオライターはお約束で書いただけでしょうし、目の前の子が実際にそう言ったとしても願いを否定するようなことはしませんが。 「僕は、そうは思わないかな」って兄として話すかも知れません。 「女の子」の話ではありませんが、実体を持たぬ主体による「こうあるべき」に惑わされないで欲しいなって、思うのですよ。

 一番落ち着いていて、お姉さん役の彼女ですが、設定年齢は中学2, 3年か。 着やせしていますが、胸は一番大きく、まお羨望の的(笑

宮内まお: 書き直してくれ

 最後、もう、何も言いたくない宮内まお。 小学6年か中学1年かぐらいなのかな、とにかく元気でじっとしていることのない女の子。 そーゆー子、好きですけど...。 もうね、エンディングもそうなんだけど、描写がやっつけ仕事っぽいんだよね。 感情移入して彼女を可愛がるって気にならん。 以上。

 ふぅむ、一通り書いてみて思うのだが、設定そのものはそんなにまずくなかったんだよねぇ。 その上に乗ってくるストーリーが、設定を無視してお約束通りにまとめすぎている。 未知の病気ってことで常識から外れるチャンスを得ていたのに、それをみすみす見逃したストーリーの罪は大きいでしょう。

毎度おなじみ洋裁ネタ

 総じて中途半端にお約束を貼り合わせた感のある内容でしたが、少々変態な部分があります。 お洋服ですよ。 洋裁ですよ。 つかさとのラストで「型紙をおこし、裁縫をこなすという一連の作業をひとりでやっていた。 」という一文があります。 これ、普通は「型紙をおこし、縫製をこなす」でしょう。 勇輝の父はファッションデザイナ、最終的に勇輝自身もデザイナを目指すという設定から無理矢理入れたんでしょうねぇ。 無理矢理入れた点は評価するけどさぁ、洋裁方面をまともに書けるライターはいないのだろうか。 しおりの服はおばあちゃんの手作り品、しかもデザイン原案はしおり自身ってぇのも悪くないんですがねぇ。 それがとても珍しいことであるって、わかって書いていたのだろうか。 わかっていたら、もう少し生かせたはず。

 あぁ、もう一つつっこみどころがあったわ。 「ピロケース」を小箱を示す一般名詞として使っているようなのですが...。 んー、そんなんあるの?

インストーラが不出来なシステム

 さて、最後にシステム関連。

 InstallShieldによるインストーラの、OSバージョンチェックがうるさいです。 エラーメッセージを信じれば、以下のOSが要求されます。 パッケージに記された「ME/2000/XP」よりも幅広いようです。

 少なくとも2カ所にバージョンチェックルーチンがあるようで、AppVerifierで "%SystemRoot%\system32\msiexec.exe" を騙すだけでは2度目で引っかかってしまいます。 InstallShieldを全く知らないのであっさり諦めて、DVD-ROMの "program files" 以下に収められたバイナリをそのままHDDにコピーしてプレイしました(笑。

 好みを言えばバージョンチェックなどすべきではないのですが、それでもまぁ、それ自体は許してやる。 でもな、Windows XPをちゃんと検出できないのはダメだろ。 失格。 開発者ですら知らない人がいることに驚きますが、Windows XPには2つの「バージョン」が存在します。 1つは5.1、x86版がこれに該当します。 もう1つは5.2、つまりはWindows Server 2003と同じコードベースのもので、IA-64,x64版がそれに該当します。 AppVerifierで試した限り、インストーラは5.2をはじいています(product type等に限らず)。 つまり、パッケージの要求を満たしていてもインストールできないことになります。 開発責任者には深く反省していただきたい。 試していませんが、2000 Server, Advanced Server, Datacenter Serverも怪しい気がするなぁ。 InstallShieldなんだから、その辺、ちゃちゃっとチェックでも入れるだけだと思うんですがねぇ。 つか、インストール可否のテストすらしていないのか...。

 ゲームシステムそのものには、動作上の問題は見受けられませんでした。 UIにも大きな不満はありません。 唯一、プレイ中も簡単に呼び出せるシステム設定メニューの妙にクリックしやすい位置に「タイトルにもどる」ボタンがあり、クリックすると確認なしにタイトル画面に戻るのは、いただけないと感じました。

 ぁー、あと、バージョン情報で「Var1.00」ってのは寂しいので何とかして(笑

まとめ: 繰り返すが、おすすめはしない

 先に行った通り、おすすめできない。 やめておけ。 内容が薄い。 話も薄ければエロも薄い。 5段階評価で2。

 ここまで読んでやりたいと思ったお兄ちゃんであっても、やめた方がいい。 まぁ、お兄ちゃん大好きと言われれば何とでもなる人なら、やっていけるとは思いますが(笑。

 なお、所要時間は以下の通り。

 バッドエンドは分岐させるの大変でした...。