Infantaria

Date: Sun, 09 Sep 2001 02:42:06 +0900
From: Fukapon
Subject: 私の過去も、私の未来

 ペンギンにゃ、みなさん。 どもども、Fukaponですぅ。

 夏休み、とゆーことでサクッとたまったゲームでも、と思っていましたがさっぱり進みません。 そんな中、CIRCUS『Infantaria』のEDを観ることができましたので、いつも通りレビューです。

 ストーリー紹介から。
 ある日、あなたが仕えるお姫様が言います。 「いずれは国を治めるべき自分は、こんなにも無知、未経験で世間知らずでよいのか」と。 民衆の生活を知らずして、国を治めるなど不可能だと、気付いたのです。 そのような不安を耳にした王は、なんとお姫様であるソフィアを王立幼稚園へ保育士として派遣するという英断を下しました。 そして、その護衛として、同じく幼稚園へ園長として派遣される騎士、それがあなたなのです。
 いつもとは全く違う生活を送るお姫様を助けながら、その中で恋を見つけられるか、とゆー、せっかくの素敵な設定も台無しないつも通りの目的なストーリーですね(^^;

 さて本題の内容について。
 と言いつつ、まず、表面上のことから先に言ってしまいましょう。 ...長いです(^^; とても長いです、このゲーム(^^;; 大きく分けて、年内が前半、年明けが後半といえる展開をするのですが、年内が年内で長い(^^; どの選択をしても、比較的しっかりとした会話が展開するのです。 まぁ、その点では非常に好感を持てますが...。 年明けからは、選択肢はほとんどなし、自動的に流れるイベントを追うことになりますが、これが長かった年内よりさらに長い(^^;; 後半だけでもズビシと数時間かかります。

 しかし、そのような長さも、ある程度は納得のいく内容です。
 お姫様や護衛の騎士なんてのが出てくる世界が舞台ですから、当然ファンタジックなお話になっています。 そのファンタジックなお話が、かなりしっかりと作り上げられていると言えるでしょう。 また、描写もしっかりとしています。 妙な視点移動がありますが、まぁ、それもしっかりとヒロインを追うためですから、マイナスではないでしょう。 何にしろ、これくらいしっかりしていれば、小説に落とすのも楽なんじゃないでしょうか。 ほぼそのままでもいけるはずです。 、また、全体的な展開に矛盾もありません。 伏線を張っておきながら、あとで何もない、なんてことも全くなかったのは素晴らしいですね。 ...大夫は出に複線張り巡らしてますから(笑

 これまたしかし、ある程度、と言ったのには訳があります。 最初にも言いましたように、年内/年明けで、前半/後半に分けることができる内容なのが難点です。 これは、分けることができると言うよりも、分かれている内容と言った方が正解かな。 全体としてのまとまりがありません。 序盤は恋愛、後半はファンタジーに徹した感があります。 その架け橋はあまりにもろく、それぞれ強力な話の展開をつなぎれていません。 この点は減点です。 ...ですからいっそのこと、前半の展開をもっと軽くしてしまうのも一つの手だったのかも知れません。 前半の展開を軽くしてしまうと、後半の複雑な話を切り抜ける人間関係を築き上げられないかも知れないのは、ジレンマですけどね。
 それと、画像の方に若干の矛盾が見られるのも残念です。 通常のキャラ画像と、イベント画像で着ている服が違う。 エッチシーンで不自然に脱いだり着たりしている。 細かいところですが、結構気になります。

 ところで、このゲームでの密かな見所は、国王にあると私は思います(^^; イヤ、そりゃまぁ、実は内面幼いに違いないっ、って感じのレマ先生を観てガンバっちゃうのがこのゲーム、じゃないとは言いませんが(^^;; あの国王もかなり見所です。 特に、私が同姓だからなのでしょうかね。 父親、そして国王としても完璧に近いような、非常に素晴らしい人物であるにもかかわらず、国王の地位に操られてしまう面もあるのです。 人間というものは、そんなものなのだろうか、イヤ、私は...、なんて思ってみるのも、良いのではないでしょうか。 私は思いました、はい(^^;

 この辺で、いつも通り厳しいシステムチェック(^^;
 全体としては良くできています。 非常に意欲的なシステムに仕上がっていると言えましょう。 毎度おなじみ、Windows2000Proを採用したSMPマシンにて、インストールからEDまでノートラブルで動作しました。 なお、今回からファイルはすべて、NT4WSで稼働しているファイルサーバへインストールしています。
 音声、BGMともにWAVE出力。 CG閲覧、シーン回想、BGM鑑賞機能、すべて備えています。 セーブスロットは59+自動1と文句なし。 また、各セーブスロットにはキャラクターのアイコンをつけることができます。 セーブ/ロードの際にはそのキャラがしゃべってくれてちょっと可愛い(^^; さらに、セーブポイントの画像がサムネイル表示されるおまけ付きです。
 システムの動作設定も細かく調整でき、各キャラの音声ON/OFFはもちろん、ふりがなや傍点、シナリオ進行情報等の表示切り替えまで可能です。 なかなかガンバってますね。
 ぁ、そうそう、主人公の名前変更も可能です。 変更の際には、英語圏風に「名姓」の順で入力しましょう。

 しかし、お話の方と同様、手放しで褒めることはできません。 細かいところに不満な点がいくつかあります。 まず、いきなり困らせてくれたのは、アップデータ。 1.04へのアップデータを当てたのですが、ウィンドウキャプションに表示されるバージョンは1.03。 しっかりしてくれ...。 セーブスロットは12*5ページになっているのですが、セーブ画面に移行するたび、カレントセーブページが1ページ目になっています。 3ページ目でセーブ中なら、次にセーブ画面を開いたときに、3ページ目を開いてくれた方が使いやすいのは明白ですよね。
 さらに、大きな問題点がいくつか。 一つは、BGMファイルまでしっかりHDへのインストールが可能なのに、いくつかの効果音ファイルをわざわざCD-ROMに残すのです。 おかげで、ドアを叩こうとするとCD-ROMのスピンアップ待ち、なんてことになります。 なぜこんなバカな仕様にしてあるのでしょう。
 ゲームシステムのウィンドウがフォーカスを失った際に、音声やBGM、アニメーションをすべて止める仕様もいただけません。 他の作業が割り込んできたときに、せめてBGMだけでもなっていてくれると、気分がInfantariaのままで済むのに...、と思うわけです。 フォーカスを失ってから、音が止まるまでにタイムラグが認められることから、おそらくわざと止めているんでしょうねぇ。 無駄なことをしないでください。
 さらに、やたらとCPUを占有するのも考え物。 おそらく、どんなCPUでも100%近い占有率になると思います。 マルチプロセッサを意識したプログラムではないため、SMP環境では1つのCPUを持っていかれるだけで済みますが...。 もう少し、お行儀の良いプログラムをお願いします。 ...なんか、WindowsがマルチタスクOSってことを忘れてるんじゃないか? って気がしますね。

 総合評価としては、まぁまぁ良い出来だと言えます。 ただ、強いておすすめするほどでもありません。

 ですから、レマ先生を観てやりたいと思われる方は是非やってください(^^; イヤ、他の先生でも結構ですが(^^;; ただ、あまり食指がのびないと思っている方におすすめできるほどのものではありませんね。 恋愛+ファンタジーですと『Snow Memoria』が最高の出来ですから、そちらをどうぞ(笑

 そうそう、私はソフィアとレマ先生の話でEDを観たのですが、ソフィアの話よりレマ先生の話を先にやった方が良いと思われました。 ソフィアの話を進めると、レマ先生の話の展開が見えてしまうんですよ。 ソフィアの話を先に進めた私は、ちょっと後悔(^^; マイシェラはどのタイミングで遊んであげても問題ないでしょう、多分(^^;; ...やってないんでアレだけど(笑

 では、次は『魔法少女アイ』で(ぉ